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オーラバトラー戦記

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『ガンダム』の監督と言えば理解は容易い。
富野監督の著作物の一つが、この『オーラバトラー戦記』 in スニーカー文庫
彼はアニメ監督という顔以外にも、小説家として実に多くの作品を発表している。

この小説はかつてアニメで大ヒットした『聖戦士ダンバイン』の完全焼き直しとでも言うべきもので、全11巻で語られるストーリー、キャラクタ設定、オーラバトラーはアニメのそれと若干異なる。

んで……
内容はと言うと、相も変わらずのトミノ節炸裂。

トミノ節とは。

『イデオン(小説)』では登場人物を全滅させ。
『Vガンダム(小説)』ではウッソとシャクティとハロ以外の敵味方を全員死亡させ。
『ガンダム(小説)』ではアムロの童貞をセイラ・マスに奪わせる。
『リーンの翼(小説)』では主人公の相棒である妖精のフェラリオが輪姦されて悶絶死(……)するし……
『ガイア・ギア(小説)』ではシャアの生まれ変わりの主人公(無論男)がモビルスーツに搭乗している最中に恋人を思って自慰を始める(読んだ時は思わず仰け反った…)。
『ガーゼィの翼(小説)』では主人公の嫁さんが敵側に捕虜となって以下略
挙句の果てに『閃光のハサウェイ(小説)』では主人公ハサウェイが最後に銃殺刑されたりした。

この一例でも伺えるが、富野監督のリビドー全開なシチュエーションを一般的に『トミノ節』と呼ぶ。アニメでは大分抑えられているが、小説ではご覧の通りの全力疾走。「読者なめてんのか!」と叫びたい人は大勢いそうだが、その中毒性にはまった人は『トミノ信者』となり、何処までも彼を崇めることになる。ん?俺は違うよ、俺は。神林長平ラヴだし。
端的に言えば、”誰も書かないような(書く必要がない)”過激なシチュエーションにキャラクタたちを陥れるのが富野さんの特徴か。

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さて、この『オーラバトラー戦記』だが。
やばかったな。核弾頭級にトミノ節炸裂。読んでいて顔が引きつること幾回数か……数え切れなかった。
読んだのは大分前だが、今でもその印象は強烈に残っている。

ネタバレ承知で紹介すると、一言で言えば
「トミノ監督の性癖というかリビドーむき出しのファンタジー小説」。
これに尽きる。

「敵の蛮族に捕らえられた主人公が、闘技場のような場所で全裸で怪物と戦わさせられ、逸物を色々な理由で大きくさせ、それを見た同じく囚われの身である王女が大興奮」

ヒロイン1は蛮族に囚われ、○○漬けとなって蛮族の首領の○奴隷となって、主人公と刃を交えて最後は首領に体を○○○○されて○○。氏賀Y太もびっくり!!

ヒロイン1.5はもはやただの○処理機械だし。

ヒロイン2は清楚で無垢な設定なのに主人公に○コキ&○○○をし。

ヒロイン3は母親に○○で顔面を○○されて○○。

ヒロイン4は主人公に○○されて○○。

ヒロイン5は何故か主人公の○○○フレンドとなる。

敵の女1は戦闘中に○○を○○でするし……


……いや、これって「オーラバトラー戦記」だよね?
ダンバインの物語だよね?ファンタジーの世界の。スパロボにもレギュラーで出ている……。
ロボットがばんばん飛び交って、妖精とかオーラソードとかオーラ戦艦とか、そういう男の子の夢全開な話のはずなのだが……
オーラ力で全てを解決する、努力と根性と愛の物語のはずなのだが……

言いたくないが、
それなんてエロゲ(・ω・`;)?
状態。
「性戦士ダンバイン」と命名する。

や、しかしそこらの官能小説よりもよっぽど興奮したのは内緒だ。
………絶対に内緒だ。

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とまあ、偏見というか気になった一部分だけを抽出して全体を語るのは最悪の手法なので今のはスルー推奨として。でも事実なことは確か。

基本的には、読者に読ませる小説である。
富野さんの小説作品としては、恐らく一番完成度が高いのではないかな?後は『閃光のハサウェイ』くらいか。マニア以外にも薦められる富野さん小説は。
その独特すぎる文章構造(単に下手糞とも言う)は読み手を強く選ぶことで有名な富野さんだが、この作品では(文章の上では)そういった角が取れ、素直に物語を読み進めることに夢中になれる。膝を叩いて「これは面白い!」と言える数少ない富野さんの作品であることは、確かかな。少なくとも完成度という意味では今までの作品の比ではない。
富野さんってどんな小説書くの?という人にも、読み応えのある読書がしたい人にもお勧め。
”ファンタジー世界におけるヒロイックサーガ”という典型的なパターンを、真正面から料理した感があり、読み応え十分。ファンタジーの世界に現代の人間が降り立ったときにとる行動の徹底的な考察をしており、それによってもたらされるオーバーテクノロジーをどう扱うかという問題にも解答を出している。
現代の地球と、このファンタジーの「バイストンウェル」の二つの世界を対比して一種の文明批判を行っているのかもしれない。そこから読み取れるものは、さすがに巨匠と呼ばれるだけの人物が書いた著書だけのことはある
重厚な世界と、リアリティに溢れるファンタジーのキャラクタたちの思考や行動、台詞を通じて語られる富野さんのメッセージは、きっと読者の心に強い印象を残すに違いない。
「(富野は)俺は女が好きなんだ!!」
ってメッセージが(゚∀。)

……どうでもいいのだが、スニーカー文庫って輪姦とかありなのか?ラノベってその類のものはタブーだと思っていたのだが。この作品といい、「デビル17」といい、随分とイメージが変わったものだ。対象年齢は中学生~高校生程度なはず…だよな。

というわけで、読んでみたい人がいたら是非声をかけてくれ。速やかに全巻を貸せるよ。
というか貸したい。貸す。
誰か読め!読んで、そしてキャラクターたちの不遇っぷりと放蕩っぷりに呆れるのだ!



最後になって気がついた。
俺はなんて単語を書きまくっているんだ。
by tie_gm | 2006-01-03 23:06 | 日々
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